ヒューマンネットワークグループ代表 齋藤伸市ブログ

スイッチ・オン

今年の春場所で、14勝1敗の好成績で優勝した鶴竜関が、
第71代横綱への昇進を決めました。
この新横綱、鶴竜関について強く感じることがあります。

この鶴竜関のプロフィールをご存知の方も多いと思いますが、
大学教授の一家に生まれ、裕福な育ち...。
バスケ、テニスとモンゴルでは比較的高嶺の花のスポーツに励み、
身体も185cmなのに体重が65kgと、力士とは遠いものでした。

にも係わらず、モンゴルの相撲ブームと母国力士の活躍に憧れ、
自ら、日本の相撲部屋の選考会に参加します。
けれども、案の定、不合格となりました。
それでも諦められず、ようやく、現井筒部屋に入門を許可されました。

最初、貧相な身体を見た親方は「床山にでもさせるか」と思ったとのこと...。
が、人一倍努力家で、体重を3ヶ月で82キロまで増やし、
新弟子検査に合格した鶴竜の喜ぶ姿を見て、
「こいつを育てなきゃ可哀想だ。」と感じたそうです。

努力が報われ、順調に出世します。
度々、三賞も受賞します。
が、優勝することはありませんでした。

2012年3月場所では、横綱「白鵬」を退けて優勝争い筆頭でしたが、
肝心なところで平幕(西前頭6枚目)に敗れ、
結局、優勝決定戦でも、横綱「白鵬」に惜敗して優勝を逃します。
それでも、3場所の勝数から大関に昇進を果したのでした。
そして、この年は何度か優勝争いに絡む姿が見られました。

でも、昨年2013年は特筆すべき成績を出していません。
一月場所   8勝7敗
三月場所   8勝7敗
五月場所  10勝5敗
七月場所  10勝5敗
九月場所   9勝6敗
十一月場所  9勝6敗
と、辛うじて勝ち越しを続けているものの、2桁勝利は2場所だけです。

いつも自信が無さそうで、泣いているような顔。
勝ちへの拘りを感じるような、決定的な強さが見られず、
途中で諦めてしまうような取組み...。
私はあまり好きではありませんでした。

ところが、今年に入り、取り組む姿勢が一変します。
初場所では14勝1敗で、本当に久しぶりに優勝争いに絡むと、
ついに三月場所で初優勝を遂げました...。

目つき、顔つきまで変化が見られましたが、
自分に自信を持つ、何かを見つけたのではないでしょうか?
それにより自信スイッチがオンになり、
一皮剥けた強さに変貌したのだと思います。

他方、初場所で横綱をかけた大関、稀勢の里関は
肝心な一番で勝つことが出来ず、綱取りは失敗しました。
精神力が弱いと言われましたが、
鶴竜関のようなきっかけを掴めていない気がします。

実は、私にもあるきっかけで自信がついた経験があります。
保険業界に入ったばかりの20歳代前半のことで、
とても、苦しかった時でした。

毎日、夜遅くまで何百件も飛び込み営業をさせられたのですが、
来る日も来る日も門前で断られ続けて、
全然、契約など取れませんでした。

成績は、全体でほとんど下の位置です。
これ以上悪い状態が続くと、首を切られるかもしれません。
それでも当時、新婚だった私は、歯を食い縛って頑張るしかありませんでした。

ある日、会社が成績不良者を集めて研修を行います。
そこには、トップセールスマンも呼ばれていました。
そして、トップセールスマンからある一言を聞かされます。

「どういう人がトップセールスマンになるか知っていますか?
一番断られているセールスマンがトップになれるのです。」と...。

その、さりげない一言に、私は電流が走ったような衝撃を感じました。
『私は断られている数なら誰にも負けない。
それなら、私だって絶対にトップになれるのだ!』と自信を掴めたのです。

この自信は、根拠があるわけではありません。
でも、絶対出来るのだという信念が湧き上がってきました。
そして、これを境に契約が増えてきた気がします。
鶴竜関の変貌ぶりを見て、こんな体験を思い出しました...。

さて、自己啓発セミナーとか、〇△研修とか、精神論や根性で訓練して、
果たして、成功を確信するような自信がつくものでしょうか?
一方、私のようにさりげない言葉を聞いたきっかけで、
人生が変わるような信念を抱くこともあると思います。

そう考えると、皆様が社員に発したさりげない一言がきっかけで、
その社員のスイッチがオンになり、比較にならないほど成績を上げる
ということも考えられるでしょう。

皆様ご自身も今までと姿勢が変わった、というか、
それこそ、スイッチ・オンしたきっかけがあるのではないですか?

2014年4月 1日 10:00 | いろいろ気づいたこと | トラックバック(0)

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