事業承継ガイドラインより
中小企業庁が昨年の12月に
事業承継ガイドラインを策定し、、
その中のデーターから、
中小企業の世代交代の実態を知ることが出来ます。
そこから私なりに思ったことをお伝えさせていただきます。
まず、中小企業が倒産してしまうと、
そこで働く社員が、路頭に迷ってしまいます。
日本経済にも多大な影響を与えるでしょう。
心配なのは、収益性のある会社の自社株が高騰し、
その株価に連動した多額の相続税が、
オーナー家のかなりの負担になることです。
加えて相続トラブルなどが誘因で、
高収益企業が破綻してしまうことは、
何としても防ぎたいものです。
国も様々な法律を作って、防ぐ策を講じています。
ただ、経営者として考えた場合、
経営環境の変化についていけない中小企業もあり、
無理に延命措置をすることが良いかは分かりません。
データーの中で注目すべき点をご紹介します。
まず、経営者の高齢化が進んでいることです。
20年前、経営者の平均年齢は47歳でした。
現在は66歳に上がっています。
これから高齢な経営者が、
大量に引退されることが予想されます。
事業承継の必要性が、更なる課題として
クローズアップされることになるでしょう。
最近は、M&Aを活用する例も増えつつあり、
弊社のお客さまでも、
年間10社程度、ご相談を受けています。
20年くらい前は、60%が親族内承継でした。
会社の役員や従業員に承継する
30%を大きく上回っていました。、
データーでは、ここにきて変化しており、
親族内承継を考えている企業が45%位、
親族外承継が35%位になりました。
M&Aが10%を超えて、
親族内承継の比率が大きく減少しています。
また、事業承継で、
特に見逃すことの出来ない点は、
先代が早めに交代した会社と、
高齢になって交代した会社では、
利益率に違いが出ているということです。
例えば、(後継者が)30代で承継した会社と、
50代で承継した会社では、
かなり利益率に差が出ています。
50代では、守りに入ってしまう...。
一方で、30代は最新技術を取り入れ、
積極的に経営改革に取組んでいる...。
こういうことが反映されているのでしょうか?
このことを踏まえますと、
60歳位、遅くても65歳位までには、
事業承継が終わっているのが、
ベストだと思われます。
では、60歳から65歳位で
バトンタッチするには、
どういったことが必要なのでしょうか?
私も一人の経営者の現実問題として関心があり、
専門家からもアドバイスや提案を受けました。
その結果、辿りついた結論があります。
この点につきましては追って、
また機会があれば皆さまへ、
セミナー等でお話ししたいと思います。
余談にはなりますが、日本の中小企業は、
優れた知的財産の宝庫でもあります。
それはある意味、日本の財産ともいえるでしょう。
国は真剣に守ってほしいと感じます。
例えば会社の事業承継が上手くいかず、
優れた技術や特許を持っている会社が、
海外の企業に買収されてしまったら大変です。
ただ単に会社が買われたというだけでなく、
日本の財産の喪失でもあるからです。
気がついたら、技術や特許の多くが海外に流出した。
そのような事態は、絶対に避けてほしいものです。