法人税率が下がる時代に
法人税の実効税率が高い時代の思い込みもあり、
会社の税負担を減らすために、
社長の報酬を高めに設定して、
法人税負担の軽減を図ってきました。
以前の法人税の実行税率50%以上の時代なら、
多少、個人の所得を増やしたとしても、
税負担が過多になることはなかったと思います。
ところが近年、法人税は減税傾向にあります。
平成26年度東京都税制調査会第1回小委員会の資料には、
「法人所得課税の実効税率の推移」が記されています。
そのグラフを参照すると、昭和52年にピークの52.92%
その後、若干下がって、平成2年に49.98%に、
平成16年に39.54%となって、平成24年に34.62%、
そして今は周知の通り、辛うじて30%台という状況です。
国家間の価格競争に勝つ意図もあり、
法人税率は、なお下がる傾向にあります。
近いうちに20%台に突入しそうな気配です。
一方で、課税強化に向けて
高所得者個人の税負担は、上がり続けるでしょう。
であれば、昭和バブル期からの風潮ともいえる、
やみくもに会社を赤字にして
個人の所得を増やす考え方を進めると、
税負担が大きく増えてしまいます。
法人の利益と個人の所得のバランスを考えることが、
重要な気がします。
ただし、やみくもに会社に利益を残しても、
株価が上昇したりするので、
事業承継など、新たな問題が発生することは否めません。
法人に残したお金を
如何に有効に運用し、活用するか?
経営手腕が問われそうな気がします。