事業承継で起きる【まさか】
相続対策の専門家・税理士やコンサルタントに、
相続対策で何が一番大切かと伺うと、
①相続財産の分け方を決めること
②その分け方で相続税が支払えるかを確認すること
③最後に節税対策
この順番を強調されます。
そして、
「やってはいけないのは、
節税対策を最初にすることです。」
とおっしゃいます。
節税対策には財産を分け辛くするものがあり、
もめる火種を残してしまう可能性が
あるからだそうです。
では、オーナー社長の相続対策で、
何が一番大切でしょうか?
相続対策の専門家に聞くと、
やはり①②③と答えが返ってきます。
果して、本当にそれだけで十分でしょうか?
生命保険という商品を20年間扱って感じたことは、
実はそんな単純なものではないように思います。
というのも
実際に相続を経験した後継者から
・取締役会でクーデターが起きて会社を乗っ取られた
・会社から父(前社長)の退職金を支払うことができなかった
・他の株主から株を買い取ってくれと言われた
など、ごたごた(騒動)でとても苦労した、
とおっしゃる後継者が意外に多いからです。
このような経験から、オーナー社長の相続対策は
『一般的な相続対策では甘い』
と言わざるを得ません。
もっとも『それも試練だ』
『それを乗り越えてこそ真のリーダーとして
社員から認められるんだ』
とお考えの社長には無用かもしれませんが...。
しかし、できる対策はやっておこう
とお考えの社長には、
ぜひ対策を講じていただきたいものです。
具体的には、相続人の間で遺産分割の話をする前に、
会社における利害関係者の間
(古参役員・取締役会・株主・取引先・社員)で
発生するリスクを洗い出し、
後継者が戦わずして勝つ対策を講じていただきたいのです。
相続発生時に身内ともめたり、
社内をまとめられないと、
とても大きな負担になるからです。
せめて、後継者には経営に専念できる環境を、
整えてあげたいものです。
それを可能にするのは社長しかいません。
人生には上り坂と下り坂があるといいますが、
忘れてはいけない坂がもう一つあります。
その坂は、最も怖い坂です。
それは【まさか】です。
「まさかうちに限って・・・」
とお考えの社長にこそ、
まさかは身近にあるとお伝えしたいのです。
私達は、その【まさか】を想定し、
オーナー社長と後継者
そしてご家族にアドバイスを行っていきたいと思います。